ロシアのウクライナ侵攻とW-SCOPEの今後の株価など

■はじめに

ロシアのウクライナ侵攻について、世界経済、ダブルスコープへの影響、今後の株価などを考えたブログ記事です。

 

以下の記事に続くダブル・スコープ関連のブログです。

■ロシアのウクライナ侵攻と世界経済への影響

●今後の展開

2022年2月から始まったロシアのウクライナ侵攻については、次の①から⑤の展開が考えられると思います。

  • ① ロシア軍の攻勢が続き、ウクライナを占領し、親ロシア政権を樹立する。ウクライナの敗戦です。
  • ② ウクライナの抵抗が続き、ロシアのウクライナ占領地域に対する攻防という形で、戦争が長期化する。
  • ③ 停戦協定が結ばれ、ロシア軍の侵攻を停止し、現在の占領地域に、新ロシア政権を樹立、もしくはロシア領土に併合する。2014年のクリミア併合、ウクライナ東部紛争と同様の結末である。
  • ④ ロシアが占領地域から撤退し、ウクライナとロシアで講和する。ロシアの敗戦です。
  • ⑤ 第三次世界大戦に発展し、核兵器も利用され、多くの都市、地域が壊滅的な被害を受ける。

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ロシアの侵攻状況

個人的には、④のロシアの敗戦、ウクライナの勝利を期待しています。

ただし、ロシアの強気な姿勢が崩していない、ウクライナも世界各国からの支援を受けて抵抗を続けるという現時点の状況から

② 戦争の長期化 ③ロシア占領の既成事実を認めた上の停戦の可能性が高そうです。

 

NATO諸国はいずれも直接の軍事介入は控えており、ロシアも他国を敵に加えることは望んでいないため、⑤ 核兵器の利用も含む世界大戦化の可能性は一番低いでしょう。

●世界経済の影響

①から④の範囲であれば、世界経済の影響は限定的で大きな心配は不要でしょう。

国際通貨基金IMF)の2020年の世界各国GPN調査によると、

ロシアは1.4兆ドルで世界11位、ウクライナの経済は、1550憶ドルで世界55位ですが、

世界全体の名目GMPに占める比率は、ロシア1.7%、ウクライナ0.18%です。

名目GNPなので為替ルートが低いロシア、ウクライナが過少評価されているかもしれませんが、2倍の実力があるとしても、両国合わせて、世界全体の4%程度の経済規模でしかありません。アメリカの州でいうとテキサス州程度(テキサス州は全米第2位のGNP、1位はカリフォルニア州)の経済規模といわれます。

 

▼参考URL

世界の名目GDP 国別ランキング・推移(IMF) – Global Note

 


 

●代替需要の投資、生産が発生する

原子力発電所の爆発、核兵器の利用に対する不安やロシアの制裁、ウクライナの生産設備の破壊、サプライチェーンの混乱、農作物、資源価格の高騰など、世界経済にはマイナスの影響が大きいのは確かでしょう。ただし、ロシア、ウクライナの生産地域の製品、資源、農作物に代わる新しい代替需要の発生、生産、投資などでプラスの影響もあると思います。

 

代替需要と記載しましたが、軍事技術、宇宙技術以外では、両国が大きなシェアを持ち、かつ両国でしか製造できないものはないようです。

軍事技術、宇宙技術の特定の分野ではありそうですが、はっきりとしたはことはわかりませんでした。

 

例えば、半導体製造で利用されるネオンガスは、ウクライナが90%以上のシェアを持っているといわれます。実際に2014年のクリミア危機の時に価格が7倍にも高騰しました。
ただ、このネオンガスは空気(どこにでもあるただの空気です)から抽出して製造します。

どうして、ウクライナが高いシェアをもっているかというと、安く製造できるからです。他国で製造できないかというと、ウクライナより安く製造できないからです。
どうして、ウクライナが安く製造できるかは、ソ連時代の軍需産業振興政策のために国家補助により設立された大量の生産設備(おそらく償却済みは償却費も無料)があり、それらが供給過剰といえるような大量のネオンガスを供給しています。そのため、他国が同様の生産設備を新規に投資、構築しても採算が合わないためです。

 

ただ、ロシア、ウクライナの供給が途切れ、価格が高騰すれば、参入する企業や地域も増えるでしょう。また、価格が高騰すれば、需要も減るでしょう。

原油天然ガス、農作物、レアメタルなども同様(いずれもコモディティといわれる製品で文字通りコモディティ化されています)で、価格が上がれば、新規参入、設備投資も増えて、供給も増え、価格も下がるというのは、歴史が証明する通りです。

 

▼ネオンガスに関係する参考サイト

ロシアのウクライナ侵攻はチップ不足を悪化させる可能性あり、チップ製造レーザーに不可欠な半導体グレードのネオンの90%以上を供給しているため|au Webポータル経済・ITニュース

 

https://www.deutsche-rohstoffagentur.de/DE/Gemeinsames/Produkte/Downloads/DERA_Rohstoffinformationen/rohstoffinformationen-39_en.pdf

↑ドイツ政府(連邦経済エネルギー省所管の地球科学天然資源研究所)のネオンなどレアガスの供給問題に関するレポート(2019年)

 

レアガスの世界へようこそ|製造:原料|東京ガスケミカル

 

■ダブルスコープへの影響

ダブルスコープへの影響も

  • ① 輸送運賃の上昇
  • ② 資源価格の上昇
  • ③ 自動車の減産(ロシアでの生産だけなく、ロシア、ウクライナの生産される部品の影響)

というマイナスの影響と

  • ① ガソリン価格の高騰でEVの需要が増える(電気代も上昇するが、電気は原子力、風力、太陽光、石炭火力、水力といった多様な発電方法があるので、原油価格の上昇より緩やかな上昇となるでしょう)
  • ② 安全保障といった点からも電源、電力の確保が重要になり、ESSの需要が増す。
  • ③ ロシアに親和的に中国企業への制裁、警戒が強まり、韓国企業の製品の需要が増す。

というプラスの影響がありますが、短期的(直近1年ぐらいは)には、マイナスへの影響が多そうです。

 

少し妄想気味で期待したいのが、ESS(定置型蓄電池・電力貯蔵システム ESS:Energy Storage System)への需要です。

今後、ロシア産の原油天然ガス、石炭への依存を減らすために、原子力発電への回帰の流れも予想されます。原子力発電の発電比率が高まると、原子力発電の特性上、需要が少ない夜間でも稼働を止めずに発電するため、深夜の電気代が劇的に下がる可能性があります。


その電気を蓄電するESSの需要も増すかもしれません。
日本でも多くの原子力発電が稼働していた時は夜間電気代は格安でしたが、この格安な電気をESSで蓄電し、昼間に利用するような方法が広まるかもしれません。
そうすると、リチウムイオン電池の需要も、予想以上に拡大するかもしれません。

 

▼ESSに関しては以下のブログも参考にしてください。

 

 

原発やESSに関する参考サイト

 

夜間は電気が安くなるって本当?電力と時間帯の話 - エネインフォ(eneinfo)

 

ドイツ、「脱原発・石炭」に見直し論 ロシア制裁で供給不安:時事ドットコム

 

資源エネルギー庁がお答えします!~原発についてよくある3つの質問|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁

 

テスラが北海道に日本初の『蓄電池発電所」開設を発表〜再エネ導入拡大を加速 - EVsmartブログ

 

韓サムスンSDI、米テスラにESS用バッテリー供給 - もっと! コリア (Motto! KOREA)

 

Powerwall | テスラ ジャパン

 

 

 

■今後の株価

 

 

(上記のブログで強い上昇相場が続く前提で)株価が5日移動平均付近まで下がったら買い、5日、25日の移動平均価格が、中期の50日の移動平均価格を下に越えて、下落トレンドが明確になれば、売りを私は考えています。

といった内容を記載しましたが、ウクライナ情勢のリスクやマストアセット売却により1000円を超えると売り圧力も多いと思われることから、この考えを変えようともいます。

この半年の株価の推移を見ると、通期決算発表の2月中旬までは、800円位から1000円位の範囲で、株価が上下するボックス圏でした。
200日移動平均線を超えて下がった時が底値でした。

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W-SCOPE 直近6か月の日足チャート

ウクライナ情勢のリスクが続く、マストアセットの売り圧力がある前提で、今後の半年間は、900円から1100円位の範囲でのボックス圏が予想されます。

旭化成での中国で特許訴訟の勝訴した旨のプレスリリースで開示されています。

今後、WCPの韓国での上場など好材料のニュースも予想されます。

200日移動平均線(2022年3月4日時点で811円)を超えて下がることはないと思っています。

50日移動平均線(2022年3月4日時点の874円)ぐらいが買い場、50日移動平均線を超えて下がった時が底値だと考えるがいいのかもしれません。

2022年10月以降のボックス相場でも、50日に移動平均価格が、200日の移動平均価格より安くなるときはありませんでした。

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2022年3月4日のW-SCOPEの株価と移動平均

▼関連ブログ

以下のブログで説明している通り、旭化成の特許はいわゆるパラメータ特許で、今後、韓国の特許訴訟でも無効になる可能性もあります。仮に有効だとしても、回避方法もあり、ダブルスコープの賠償額も少なく、業績に影響を与える金額でないようです。

 

 

 

■本の紹介

ウクライナ情勢に興味のある方に参考となる本をいくつか紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上

ダブル・スコープ (6619)

 

 

 

 

 

 

 

 

以上

マストアセットがW-SCOPE株を売る理由(2022年2月25日付保有株式変更報告書より)

■はじめに

2022年2月25日付の大量保有株式変更報告書より、マストアセットがW-SCOPE株を売った価格、株数を調べ、その理由を推測しているブログ記事です。
マストアセットの新しい投資先のランサーズについても紹介しています。

 

■関連ブログ

マストアセット(Must Asset Management Inc(マスト・アセット マネジメントインク) )については、以下のブログ記事も参考にしてください。

 

 

 

 

■いつ、どれぐらい、いくらで売っているか

2021年12月03日付報告書と2022年02月25日付報告書から、マストアセットはダブルスコープの株式を売却しているのは事実です。

2021年12月03日付報告書と2022年02月25日付報告書から、マストアセットはダブルスコープの株式を売却しているのは事実です。

 

報告義務発生日:2021年12月1日→2022年2月17日

保有株式:4,936,700 →  3,910,900

株式保有割合:7.18% → 9.06%

といったように

株式数で1,025,800、全発行株式の1.88%の株式を前回の報告、2021年12月3日以降に売却しています。

 

 

ただ、前回の報告以降、一貫して処分(売却)していたわけでなく、取得(購入)も処分(売却)もして、トータルでは処分の株数が多かったという状況です。

 

報告書の取引履歴から推測すると、私の計算では約11.7億円の株式を売却(純粋な売却でなく、売却分から取得分を差し引いた正味の売却分)しています。

取引推定価格は、(始値終値)/2という式で計算した始値終値の中間値((小数点切り上げ)です。取得(処分)価格の推測値として利用しています。

700円台の株価では取得し、800円後半では株価はで処分し、業績上方修正後の2月16日以降の1000円近くの株価で大量に処分していることがわかります。

 

▼報告書の取引履歴

日付

株式数

保有割合(%)

取引

始値

終値

推定
価格

推定金額

2021年12月20日

35,900

0.07

取得

768

752

760

+27,284,000

2021年12月22日

8,400

0.02

取得

743

744

744

+6,249,600

2021年12月27日

6,800

0.01

取得

758

737

748

+5,086,400

2022年 1月13日

15,100

0.03

処分

948

946

947

-14,299,700

2022年 1月14日

94,500

0.17

処分

931

946

939

-88,735,500

2022年 1月17日

33,100

0.06

処分

975

946

961

-31,809,100

2022年 1月18日

52,700

0.1

処分

956

948

952

-50,170,400

2022年 1月28日

63,000

0.12

処分

821

860

841

-52,983,000

2022年 2月 7日

19,900

0.04

取得

800

784

792

+15,760,800

2022年 2月 8日

6,800

0.01

取得

766

767

767

+5,215,600

2022年 2月15日

52,700

0.1

処分

833

939

886

-46,692,200

2022年 2月16日

396,900

0.73

処分

968

1,005

987

-391,740,300

2022年 2月17日

542,100

1

処分

1,000

1,039

1020

-552,942,000

           

合計

-1,169,775,800

 

※推定価格は、(始値終値)/2という式で計算した始値終値の中間値((小数点切り上げ)です。取得(処分)価格の推測値として利用しています。推定金額は+が購入金額、−が売却金額です。

 

参考URL

マスト・アセット・マネジメント・インクの有価証券報告書一覧 - 投資関係がわかる「有報速報」 (kankei.me)

https://toushi.kankei.me/c/25382

 

■なぜ、売っているか

なぜ、売っているのかについて、2つの私の仮説を紹介します。仮説といっても当たり前の話をしているだけかも、知れません。

●リバランス

リバランスとは、複数のリスク資産に投資する運用(ポートフォリオ)で、一つのリスク資産、特定の株式が値上がりした場合、その株式の保有割合を減らして、値下がりした株式を買い増すような投資先、投資割合の見直しをいいます。

マストアセットのファンドは、W-SCOPEの株式が値上がりし、W-SCOPEの構成割合が高くなり、ポートフォリオのバランスを保つために売却したのかもしれません。

 

http://www.thebell.co.kr/free/content/ArticleView.asp?key=202202151106302480108572&svccode=00&page=1&sort=thebell_check_time

上記の記事は韓国の経済投資情報のサイトの韓国語の記事(2022年02月17日付ですが、

2021年の運用成績で、マストアセットする運営すべての私募ファンドがマイナス(-)の収益率、つまり損失が発生していることが報じられています。

 

つまり、全体の運用資産がマイナスの状況で、ダブルスコープだけプラスの状況であれば、ダブルスコープ株の構成割合が顕著に増えたことが考えられます。

以下の表はファンド毎の保有株数の変化です。

保有株式数が一番多いThe Second MUST Private Fundが一番多くの株を売却しています。

W-SCOPEの保有株式数が一番少ない直近のファンドは逆に増やしています。

おそらくW-SCOPEの含み益が多いファンドで、投資保有割合が高くなったファンドほど処分しているものと思われます。

 

 

保有株数

   

ファンド名

12月1日

2月17日

増減

The First MUST Private Fund

1,091,196

1,000,296

-90,900

The Second MUST Private Fund

1,231,934

834,534

-397,400

The Third MUST Private Fund

940,809

749,609

-191,200

The Fourth MUST Private Fund

821,921

575,721

-246,200

The Fifth MUST Private Fund

407,245

268,245

-139,000

The Sixth MUST Private Fund

399,795

339,695

-60,100

The Eighth MUST Private Fund

43,800

142,800

+99,000

 

●W-SCOPEが割安でなくなった

割安さに注目したいわゆる逆張り投資がマストアセットは得意です。

企業価値と市場の評価の乖離、割安さに注目することから、W-SCOPEの市場の評価があがり、株価が上がれば、割安さもなくなります。

900円以上の株価だと、買い増しするほど割安さでもなく1000円以上の株価だと、売るタイミングを考えるほど割高だといえるのでしょうか。

 

http://www.thebell.co.kr/free/content/ArticleView.asp?key=202108311400466560108430&lcode=00


2021年09月02日付の記事ですが、
マストアセット運用はダブルスコープの最大株主に上がった。

日本の材料産業に対する理解は韓国よりも低いため、ダブルスコープの株価は過小評

価されていると判断できる。
といった内容の記載があり、『過小評価』に注目した投資であり、『過小評価』がなくなり、適当な評価に代わり、株価が上昇すれば、投資する理由がないのかもしれません。

http://www.thebell.co.kr/free/content/ArticleView.asp?key=202109021049418640101552&lcode=00


2021年09月06日付の記事で、
SKイノベーションの子会社である分離膜生産会社SKアイテクノロジー(SKIET)には4月上場を控えて歴代最大規模の証拠金が集まった。一方、日本では韓国と比べ素材企業に対する理解度が不足して、ダブルスコープの株価が相対的に低い。
といった内容があります。

SKIETの株価(時価総額)と比べて、ダブルスコープは安いと考えていることも投資した理由のようです。
そのSKIETですが、
上場直後2021年5月11日に、終値で154500KRW(コリアンウォン)の株価をつけ、現在2022年2月26日の終値で120000KRWと約10か月で、22.4%下落しています。
2021年7月23日に終値で上場高値230500KRWをつけてからは、52%下落しています。
下の画像は、2021年5月11日から直近2022年2月26日の株価チャートです。

f:id:chanmabo:20220226195633p:plain

SKIETの株価チャート(2021年5月11日から直近2022年2月26日)

 

下の画像は、直近6カ月(2021年8月26日から)の株価のダブルスコープとSKIETのパフォーマンス比較ですが、ダブルスコープが13.93%上昇しているのに対し、SKIETは、43.56%上昇しています。
もし、2021年8月26日時点の株価が企業価値を反映して、その企業価値が今も変わらないとすると仮定します。その仮定だと、ダブルスコープはSKIETに対して、57.49%も割高と考えることもできます。

 

SKEITとダブルスコープの株価比較

 

もし、2021年8月26日時点の株価が企業価値を反映して、その企業価値が今も変わらないとすると仮定します。その仮定だと、ダブルスコープはSKIETに対して、57.49%も割高と考えることもできます。

マスト・アセットのダブルスコープ株の購入価格から株の買い時を考えてみた - 令和の未来カエルのブログ

〇2021年8月27日に市場外で854円、2021年2月18日に市場内で875円(近く)で株式を取得しているので、マストアセットは800円台の株価は高いと考えていない。

〇2021年3月26日に 1.59%相当の大量の株式を726円で取得し、2020年11月19日市場内で625円(近く)で株式を取得している。700円前半ぐらいまで下がったら積極的に買い増してもいいし、625円位が底値かもしれません。

といった考察をしましたが、加えて、

〇2022年2月17日に、1%相当の大量の株式を1020円付近で売却している。1000円を超える株価は割高と考えて、マストアセットは株価が高いと考えている。

と考察をしたいと思います。

 

マストアセットの投資履歴から推察、考察した情報ですが、ダブルスコープの株価を考えるときの参考にしてください。

 

■何を買っているか(マストアセットの新しい投資先)

マストアセットは、韓国、日本、米国の株式に投資しています。おそらく、この3つの市場以外でも投資先を探しているでしょう。
そんな世界中で投資先を調査するマストアセットがダブルスコープの代わりに、どんな会社に投資しているか興味があると思います。
なお、日本では、ランサーズ(4484)に投資しています。
ランサーズは、クラウドソーシングのサービスのウェブサイトであるLancersの運営を行う企業。 個人間や個人法人間で請負業務のマッチングサービスを提供しています。

株価は2019年12月20日終値757円)に上場して、2020年9月4日に1415円の高値を付けた後、株価は1年以上、低迷、下落傾向で、直近2022年2月25日の株価は259円です。

 

ランサーズの株価チャート(上場来)

マストアセットはランサーズ株について、
2021年12月08日付大量保有(変更)報告書によると全株式5.13%まで株式を保有し、
2022年 1月12日付大量保有(変更)報告書によると全株式6.29%買い増しています。


2021年 10月22日から購入を開始しています。

マストアセットのランサーズ取得価格平均値は520円。
98万5200株を5億1258万円で購入。(2022/1/12提出大量保有報告書

2021年 10月22日から購入を開始しています。直近2022年2月25日時点の100日移動平均価格の383円ぐらい株価ですので、ずいぶん高値で買っている印象です。

 

今は、マストアセットの購入価格より、株価は下がっており、マストアセットの調査力に期待するなら、株価は買い時かもしれません。

ただ、2021年のマストアセットの投資成績を見ると、マストアセットに期待しない方がいいのかもしれません。

 

 

 

■本の紹介

海外の投資ファンド機関投資家の投資手法、投資先を知って、自分の投資成績を上げたい人のための本をいくつか紹介します。マストアセットが得意な逆張り投資に関する本も紹介ています。

 

日本人は投資を知らなさすぎる。投資と投機は違う。投資は危険なものではないし、いかがわしいものでもない。資本主義の健全な形態である。投資が盛んになり、優良企業にお金が集まるようになれば、日本の景気もよくなるはずだ。
農林中金バリューインベストメンツで抜群の実績を上げるCIOが、本来の投資のあり方とその哲学、長期投資のコツ、優良企業の見極め方などを、歴史的な背景や実例を交えながらわかりやすく解説する。

 

 

株式市場の市況解説では、「外国人が買い越し」「外国人が強気」といった分析がいの一番に語られるなど、日本の株式市場の上げ下げと外国人投資家の動向は非常に深く関連しています。
また、個人投資家の多くは「外国人投資家はうまく儲けている」というコンプレックスを持っているため、外国人投資家モノは投資本では定番の売れ筋テーマとなっています。

☆本書はみずほ証券のチーフストラテジスト(外国運用機関へのセールス担当)として日々、そうした外国人投資家と接し、内情をよく知っている著者が、
以下のポイントについてわかりやすくまとめた、個人投資家必読の一冊です!

・外国人投資家とは具体的に誰のことなのか
・いまの日本経済や日本株市場についてどう考えているのか
・そもそも彼らはどいういう思考や行動のパターンを持っているのか
個人投資家が彼らの考え方や行動をうまく活用して儲けるためにはどうすればいいのか

 

 

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逆張り投資に関する本

 

 

 

 

 

ここからはいつも紹介する成長株投資に関する本です。

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以上

ダブル・スコープ (6619) ランサーズ(4484)

 

 

 

 

以上

W-SCOPE-2021年12月期通期決算説明会の文字起こし

■はじめに

 2022年2月16日に実施された2021年12月期ダブルスコープ通期決算説明会の内容を、いわゆる文字起こしという形で、文章にして紹介します。動画の内容も文章で読むと、新たな気づきもあると思います。

 

■冒頭

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プレゼンター取締役大内秀雄

それでは定刻となりましたので、ただいまより、2021年12月期ダブルスコープ株式会社通期決算説明をさせていただきます。

皆様、ホームページに開示しております決算説明資料をご覧いただきながら、ご参加いただければと、いうふうに考えております。

 

■2021年12月期決算サマリー

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2021年12月期決算サマリー

ページめくりまして早速ですが、2021年12月期の決算サマリーからのご説明となります。

2021年通期実績と致しましては第4四半期、非常に売り上げを大きく伸ばしたところからですね、連結売上高は順調に伸びまして、私どもの計画数字を若干上回りまして、
29億、いや299億6600万円となっております。
前年同期比62.1%の伸びでございます。

この第4四半期のところでは、第4四半期3ヶ月間で96億を超える売上となっております。
韓国向けの売り上げが非常に順調に車載、民生とも伸びておりましては全体の中で非常に大きな構成比となっております。
韓国顧客向け売上、288億2300万円前年同期比で70%ほど伸びているそういったところでございます。
車載用電池向けの販売も非常に安定的に伸びております151億9500万円 前年同期比27.6%増という内容になっております。
民生向けに関しては、従来から下期偏重型のちょっと季節的な要因がある案件で、民生の独特なところがございますけれども、4Qにこれが大きく伸びまして、通期で147億7千万円、前年に比べまして2倍以上124.6%の増加という状況でございます。

営業利益に関しましては、大幅に、ようやく、回復することができまして、通期で18億9800万円の営業利益を計上しております。
昨年が営業損失28億3700万円でございましたので47億3500万円の改善をいたしました。
特に第4四半期におきましては、単独で売上高96億円を超えたというところで、営業利益に関しましても、第4四半期単独で14億7800万円、15%を超える営業利益率を達成するに至りました。

 

■実績(連結)

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実績(連結)

これを具体的に数字で次のページさせていただきたいと思います。
概ね重複するところでございますが、売上高300億に少し足りないところ、営業利益19億円弱という通年での営業利益率は6.33%となりますが。

まあ、第四四半期、今後の展望も含めて、これは後ほど詳しくご説明しますが、第4四半期のところでは単独で営業利益率が15%を超えるところまで回復してきております。
経常利益に関してはまだ赤字の34億1100万円ですが。
また、これも後ほど少し説明させて頂きますが、従来からご案内している通り、 WCPの転換社債に伴うところのオプション評価損失というところを、大きく計上しておりまして、この期で1年通期ですね、44億9500万円強、オプション負債評価性のオプションの損失を計上しておる。
そういった状況になっております。

あと従業員ですね、ま、これだけ生産規模を増やしてきました、一昨年昨年末で1092名ですね。一昨年昨年末で1092名、これが昨年末で1321名となっております。

■BS主要項目の推移

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BS主要項目の推移

次のページでは BS 項目のご説明をさせていただきます。
特に負債側のところですけれども、第3四半期でもご説明をさせていただきました通り、9月末のところで大きな変動がございまして、借り入れを大きく返済をし、また、
転換社債の8割強が株式に転換されたことによってですね、長期短期の借入金その他の負債が大幅に圧縮し、純資産に一部、繰り入れられている状況でございます。

■営業利益増減要因(前年同期比)

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営業利益増減要因(前年同期比)

次のページに行きましてまた、先ほど、簡単にお話ししました昨年通期の営業利益増減分析のご説明をさせていただきます。
左側から2020年通期で先ほど、申し上げましたように28億強の営業損失を出しておりました。
これに対して左から二つ目三つ目の青い棒グラフですね。
この二つを足したところの114億8700万円、これが売り上げの伸びとなっております。
これだけ売上が伸びましたところで、当然、原材料費、23億円強増えており、人件費先ほどご案内の通り290名増えておりますので、13億円ほどを人件費も増え水道光熱費その他の製造費用等でも17億強増えております。
それから昨年のところで、一番、私でも負担になりましたのは運送費の増加というところで、一昨年との比較で行きますと、12億5000万円ほどの増加ですが、昨年の期初計画に比べると約10億円ほど運搬運送費が増えています。
皆様ご案内の通りですね、世界各国でコロナの影響からくるところの海運事情あるいは空輸等を使ったところの輸送状況かなりタイトな状況が続いておりま海上運賃の高騰それに伴って航空貨物が増加するところによって、航空貨物運賃も増えているという状況が続いており、この影響はかなりうけました。
その結果として、先ほど、話しました通り、昨年比較では18億9600万円の営業利益プラスというところまで改善をしております。
限界利益率も段階的に改善し、60%を超えるところまでの回復となっております。

 

 

地域販売高の推移

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地域販売高の推移

続きまして、地域別の販売高の推移ですけれども、これも傾向としては今後も当面はと、思いますが、韓国のお客様向けの販売、韓国のお客様と申し上げましても それぞれの工場はですね幅広くヨーロッパであり東南アジア地域であり中国であり展開しておられますけれども、韓国のお客様の数字が大勢を占めるそういった状況が継続してきております。

 

 

2021年アプリケーション別販売構成比四半期推移

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2021年アプリケーション別販売構成比四半期推移

次のページでは昨年のアプリケーション別販売構成比を表しておりますね。
まだ第3期四半期から第4四半期ですね、これ販売金額、そのものが第13期が60億円規模であったものに対して、第4四半期は96億を超える1.5倍以上にもなっておりますので。
あくまでもこれが母数対する構成比をご用意、お示ししているというご理解をいただければと思います。
と申しますのは、この棒グラフだけ見ますと自動車の構成比が4割に減っております。ただ販売額としては第3四半期で33億円程度であったものが第4四半期43億円弱となっており安定的に年間を通して伸びております。
一方で民生案件に関しては、ハイエンドのところコーティングセパレーターを使うような電池の需要というのが、民生業界ですので、まあその需要がですね、大きく、下半期特に第4四半期に伸びる形となりました。
第4四半期だけを切り取ってみるとですね、民生系の売上が非常に大きくしており、53億5000万程度は民生系の売上となっておりました。

■2021年12月期通期業績

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2021年12月期通期業績


こういった状況でございまして次のページで2021年の総括を簡単にさせていただければと思います。
売上高に関しては期初計画を上回り約299億円なっております。
第4四半期、特にですね、先ほどもお話しさせていただきましたけれどもあの修正計画を11月にお出しした時点では10月のですね、海運事情、私でも、非常に肌感覚として悪い状況であり、まあ、端的に申し上げますとなかなか輸出の船のブッキングすらできない、あわててエアー での出荷が増えていく、そういった状況にありました。
ということで、第4四半期11月12月も続けてですね、このような予想事情の悪化が続くようであれば、大変だという心配をしながら、修正計画を開示しております。
その状況が11月12月、やや、落ち着いた感がございましたので、売上としては、まあ、299億まで伸びた、約20億ほど計画から伸びた数字となりました。
もちろん海運事業だけではなくて生産の現場といたしましても新しい設備の量産の開始ということですね。
生産能力を大きく上げてまいりましたのでこういった売上を達成することができました。
今の民生系のハイエンド、先ほども申しましたけれどもパワー系の電池の寿命というのが今の第4四半期の所で大きく伸びておりました。

こういった売上高の伸びに伴って営業利益に関してはですね。
二つの観点からのご説明をさせていただきます。

私ども、期初計画では280億円の売上に対して35億円の営業利益計画を開示しておりましたけれども、そこから大きく狂いが生じ19億円、約19億円での着地となりました。
その差16億円やり営業利益として達成はできなかったわけですけれどもそのうち10億円ほどがは先ほど申し上げました通りの輸送費コストの増加ということでございまして、またこれも少し後ほどもお話しいたしますけれども、10月が非常に悪い状況だった、11月12月少し改善したかに見えましたが、またこの1月に入ってあまり状況を良くなっておりませんので上期いっぱいぐらいはこういった状況が続くことも想定する必要があろうかという状況でございます。
その他の費用をそんなに大きなものではありませんけれどもいくつかの項目で想定外の費用が発生したところで期初計画からは16億円の不足とはなりました。
11月に開示しました修正の営業利益の計画は12億円としておりましたがそこからは7億円ほど増加をしておりますこれは先ほど申し上げました通り、第4四半期は生産量が増え着実に出荷が出来たというところが一番大きなところで、なおかつ、出荷数量が増えるに伴っての輸送コストというところですけれどもこれが先ほどご説明の通り、10月にかなり心配していたレベルから比べると、少しは沈静化をしていた、そういったところで修正計画から7億円ほどの上振れができました。
ただこれは言い換えれば私どもの生産数量をお客様の受注に合わせて出荷がきっちりできるとこういった数字が達成できたという状況でございます。

それから営業外費用に関してはここ数年非常に良い皆様にご心配をおかけすることが多かったわけです。
昨年に関しましても今昨年の9月に特に WCP の転換社債が概ね転換が完了80%ほどですねしまして先日開示させていただきました通り1月17日をもってほぼが転換が完了致しましたしかしながら昨年まではですね継続して WCP の企業価値の向上というところに伴い、オプション負債の評価損を計上しておりまして、昨年一年間で45億円弱の費用計上となっております。

これが非常に大きかったですね。一方で、色々な資金調達を勧めてくる中で昨年一番大きかったのが借入の返済を進めたというところ、支払利息がですね、第3四半期までで約12億円ほどの支払利息を計上しておりましたが、四半期にはこれがクオーターベースでの2億5000万円まで下げるできたというところでございます。

■2022年12月期通期業績見込み

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2022年12月期通期業績見込み

続きまして、今年、2022年の業績見込みのご説明をさせて頂きます。

今年の計画としましては、売上高300億円か上期170億円下期に110億円を計画しております。

営業利益は50億円通期で50億円これが上期18億5000万円、下期301億5000万円を計画しております。

先ほども申し上げましたが、まあ生産数量が昨年ずっと拡大をしてくることができ、さらに引き続き生産改善等を続けて参ります中で80億円の売上の増加これを見込んでおります。昨年のところに来てみますと自動車系それから民生系ほぼ半々の売上高でしたけれども、今年の計画の中では約60%が自動車用といいですね今日から期末にかけて安定的に少しずつ増えていくそういった状況になっております。民生系のところを昨年と同じように季節性がございまして下期に販売が伸びる予定となっております。営業利益のところでは先ほど申し上げました通り、まだ運賃の高止まりというのは、おりこまざるを得ない状況でございます。そういったところでは上期の営業利益率としては約11%というところになる計画となっております下期にはもう少し輸送環境というのは改善してくるだろうというところそれからまあそれにもまして販売数量売上高が増加して参りますのでの、マージン率としては改善していくだろうということで、15%の営業利益回復ということを計画しております。

さらにはですね、営業外費用に関しては、先ほども少しご説明をさせていただきましたけれども支払利息が昨年に比べて大幅に軽減されてまいります。

今年の計画としては約8億円となります。それからもう一つ WCPの転換社債に関わるデリバティブ損失というのが昨年、一昨年は合計でこれ非常に大きな金額を計上しておりまして70億を超えるほどの金額を、評価性の損失として、計上したわけですけれども、今やっとこれが解消され今年からはこういった評価制の負債というのがほぼ発生しない計画となっております。

 

■2022年販売予算アプリケーション別販売構成比見込み

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2022年販売予算アプリケーション別販売構成比見込み

次のページにまいりまして、まあ今年の販売380億円をまた、これ販売構成比でタームごとにグラフを作成しておりますので、少し見にくいところではありますが、やはり民生系のコーティングセパレーター、下期に販売数量増、特に第3四半期に伸ばす計画となっておりますということ。
それからクォーターごとの母数がですね、まあ、第1四半期第2四半期よりも、第3四半期第四半期の10%から15%ほど伸びて参りますので、自動車系コーティングセパレーターのところは先ほども申しました通り、年間を通しても安定して増えていく、売上高としては増えていく55億から第4四半期には63億ぐらいまで増えていくような計画となっております.

■設備投資計画

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設備投資計画

販売の伸びが、引き続き、私どもを想定がされております。
それに伴うところの、ま、それを裏支えするところの設備投資計画を簡単にご案内させていただきます。
皆様ご存知の通り今、今後、欧米自動車メーカーOEM、電動車両の生産が拡大していく、これ連れて、電池業界の欧米への投資が進んで参りますこれ投資となって参りますのでま電池業界全体が生産数量を増やしていく 、その中でセパレータの需要も非常に大きな伸びを示すことなる。そういった見通しが前提でございます。

私ども、昨年開示しておりますが、お客様の需要の伸びに合わせて、2025年までに総投資額約900円は2025年の連結売上高7億ドルを超えるところを見込む状況となってまいりましては、具体的には韓国 WCP のところでも設備投資を進めますし、その他、海外ですね、まあ欧州になろうかと思いますけれどもまあ、韓国欧州そういったところでどういう風に今後、配分しながら設備投資を進めていくか、25年までに成膜ライン8本、コーティングライン16本を投資して総供給量を、これを増やしていく予定としております。
またその先も2030年まで、あの、いろいろな協議を進めながら、今後どういったペースでの投資が必要になるのか、ということを考えていく必要があるという状況になっております。

 

 

■会社概要など

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会社概要など

ここから先はあまり新しい情報ございませんが私どもの現状、会社概要となっており国の二工場の航空写真となっておりますの、以上をもちまして私からの説明を終わらせていただきます

 

■本の紹介

決算やダブル・スコープに興味を持った方が興味がありそうな本をいくつか紹介します。

 

 

 

電池の覇者 EVの命運を決する戦い (日本経済新聞出版)

電池の覇者 EVの命運を決する戦い (日本経済新聞出版)

著者の佐藤 登氏は、本田技研工業入社、本田技術研究所基礎研究部門で、電気自動車用の電池研究開発部門のチーフエンジニアを経て、2004年に韓国サムスンSDIに常務として移籍。中央研究所と経営戦略部門で技術経営を担当された方です。

ダブルスコープのサムスンSIDへの売上比率は2019年 48%、2020年 77%と上昇しており、ダブルスコープはサムスンSDIのセパレーター部門のようになっています。サムスンSDIの常務を務めた佐藤登氏の著者は示唆に富むことが多いでしょう。

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人材を育てるホンダ 競わせるサムスン
 
 
 
 

 

人材を育てるホンダ 競わせるサムスン

ホンダは人材を育てるが、サムスンは競わせる。同様に、ホンダはゼロから研究開発に着手するが、
サムスンM&Aで時間を買う――。ホンダとサムスンで技術開発をリードした筆者佐藤登氏が見た日本と韓国の比較産業論。
なぜ日本の電機大手が韓国企業に負けたのか、日本の製造業がグローバルで勝ち抜くために何が必要なのか。
その一端が明らかにしている本です。ダブル・スコープ、その売上の約8割を占めるサムソングループが、日本企業に勝てるのか、将来の占えるような情報がありそうです。

2019年の売上:131億円 サムスンSDI 48% LG CHEM 21% 東北村田製作所 10%

2020年の売上:184億円 サムスンSDI 77% LG CHEMと東北村田製作所は10%未満なので開示なし

 

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ここからはいつも紹介する成長株投資に関する本です。

オニールの成長株発掘法 【第4版】

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  • パンローリング株式会社
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楽天のリンクでも紹介しておきます。

 

 

 

 

 

 

 

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以上

ダブル・スコープ (6619) 

 

 

 

以上う

旭化成がW-SCOPEを訴えた特許の内容

■はじめに

旭化成がダブルスコープを訴えた特許の内容を調べてみたブログ記事です。
韓国特許の調査方法、パラメーター特許、トマトジュース特許裁判の説明などもしています。

 

 

■関連ブログ

 

旭化成が訴えた特許の概要

▼2020年2月4日 旭化成 プレスリリース

ダブル・スコープ株式会社等に対する特許侵害訴訟提起について
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅)は、本年1月29日、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造・販売会社であるダブル・スコープ株式会社及びその連結子会社であるW-SCOPE KOREA CO., LTD.(以下、ダブル・スコープ株式会社等)を共同被告として、特許権侵害訴訟をソウル中央地方法院に提起しました。

本件訴訟は、当社が所有するリチウムイオン二次電池用セパレータに関する韓国特許(特許第10-0977345号)に基づき、ダブル・スコープ株式会社等が製造・販売する電池用セパレータ製品の韓国における製造・販売差止と損害賠償を求めるものです。

とあります。

韓国における特許検索方法―韓国特許技術情報センター(KIPRIS) « 新興国等知財情報データバンク 公式サイト

韓国の特許の内容は、「独立行政法人工業所有権総合情報館」が運営されている上記のサイトで調査方法が記載されています。

http://engpat.kipris.or.kr/engpat/biblioa.do?method=biblioFrame

韓国特許庁傘下の特許技術情報センター(KIPRIS)で提供されている上記のサイト
で調べることが可能です。

 

特許化された発明の概要は、
本発明は、厚みが1μm以上50μm以下、気孔率が30%以上70%以下、膜厚1μmに換算した穿孔強度が
0.15N/μm以上、長手方向の引張強度(MD引張強度)と幅方向の引張強度(TD引張強度)がそれぞれ30MPa以下
相であり、65℃での幅方向の熱収縮率(TD熱収縮率)が1%以下、65℃での長手方向の熱収縮率と幅方
香の熱収縮率の比(MD熱収縮率/TD熱収縮率)が2より大きいポリオレフィン製微多孔膜、及びその製造方法、これを
利用した非水電解液二次電池に関する。
といった内容です。

厚さ、気効率、膜厚の細かい数字が並びいわゆるパラメータ特許であることがわかります。
パラメータ特許とは、『具体的な構造や製造方法に対してではなく、発明物の性質や機能を示す数値・数式に与えられる特許』
です。

日本の特許法では特許で保護される「発明」は、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」(第2条第1項)と定義されています。
特許保護は国際的な条約が中国、韓国も含めて世界のほとんどの国で締結されており、その条約に基づいた国内法なので、各国で大きさは差はないでしょう。
『高度ののもの』という表現は、日本の場合、特許制度を簡易化した実用新案制度があり、高度のものは特許、それ以外は実用新案と、両社を区分するために作られています。

パラメータ特許の場合、発明物の性質や機能を示す数値が果たして、自然法則を利用した技術的思想の創作といえるのか、私は少し疑問に感じます。
この疑問は多くの人も持つようで、
『創作』とは
①産業上利用できる発明であること(産業上の利用可能性)、②新しいものであること(新規性)、③容易に考え出すことができないこと(進歩性)
といった要件が求められます。
②新規性や③進歩性の要件に満たすか、特許出願者に厳しめに判断されると一般的にいわれるようです。

 

■裁判対象になっている特許の範囲


特許で保護される範囲は、請求項に具体的に記載して出願され、保護されます。
請求項とは、特許請求の範囲において、特許出願人が特許を受けようとする発明を特定する項をいい、より具体的には、「特許を受けたい発明」ごとに区分けされて発明が記載される欄をいいます。 ... なお、特許請求の範囲(又は請求項)を「クレーム(claim)」ということがあります。

旭化成がW-SCOPEを訴えた特許の請求項はわかりませんでしたが、
W-SCOPEが旭化成を特許は無効な旨訴えていまいしたが、その無効と主張した請求項はわかりました(2020年の判決でW-SCOPEが敗訴)。
おそらく、これが、旭化成がW-SCOPEが侵害した訴えた特許の請求項だと思います。


請求項1
厚さが1μm以上50μm以下、気孔率が30%以上70%以下、膜厚1μmに換算した穿孔強度が0.15N/μm
以上、長手方向の引張強度(MD引張強度)と幅方向の引張強度(TD引張強度)がそれぞれ30MPa以上であり、65
℃での幅方向の熱収縮率(TD熱収縮率)が1%以下であり、65℃での長手方向の熱収縮率と幅方向の
熱収縮率の比(MD/TD熱収縮率比)が2より大きく、長手方向の引張伸び(MD引張伸び)と幅方向の引張伸び
度(TD引張伸度)がそれぞれ10%以上200%以下、MD引張伸度とTD引張伸度の合計が20%以上250%以下
リンポリオレフィン製微多孔膜。

請求項2
65℃でのMD / TD熱収縮率比が2.5より大きい請求項1に記載のポリオレフィン製微多孔膜。

請求項4
穿孔強度が3N以上である請求項1または2に記載のポリオレフィン製微多孔膜。

請求項7
請求項1または2に記載のポリオレフィン製微多孔膜を用いた電池用セパレータ。


まさにパラメータ特許といえます。
パラメーター特許について少し詳しく調べてみました。

 

■トマトジュース裁判

パラメータ特許の有名な日本の裁判で、トマトジュース裁判があります。

伊藤園の特許(特許第5189667号)は、糖度、粘度、酸味の3つのパラメータを所定範囲とすることで、低粘度でありながら、濃厚な味わいで、フルーツトマトのような甘みがあり、かつトマトの酸味が抑制されたトマトジュースの発明です。カゴメがこの特許を無効と争った裁判で、カゴメは勝訴して、特許は無効という判決でした。

詳細は以下のサイトもご覧ください。

【判例研究】トマトジュース事件(平成28年(行ケ)10147号) | 特許業務法人オンダ国際特許事務所

特許保護は国際的な条約が中国、韓国も含めて世界のほとんどの国で締結されており、その条約に基づいた国内法なので、各国で大きさは差はないでしょう。
と記載しましたが、特許で保護される対象は実際には、違いがあるようです。
各国の産業政策、つまり、自国民、自国企業に有利になる傾向のある発明は保護しようという傾向の現れでしょう。

中国、韓国ではパラメーター特許にやや有利な決定、判決が出る傾向があるのかもしれません。

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忠清北道梧倉にあるリチウムイオン電池の分離膜専門企業ダブルスコープ(記事の写真)


 

旭化成、韓国素材•部品•装備企業と特許訴訟 - KED Global

旭化成は、むしろ「ホームグラウンド」の日本では、特許侵害訴訟を起こさなかった。ある弁理士は「日本の特許審判は、非常に詳しい部分まで掘り下げるため、権利範囲が限定的で侵害を認めにくい」とし「一方、韓国や中国はもう少し幅広く特許を認めており、相対的に特許侵害を認めやすい」と説明した。

といった記事があり、日本では特許侵害と訴訟するのが難しかったかもしれません。

旭化成は、特許侵害を韓国と中国で訴訟し、日本、米国、EUなど主要国では訴訟を起こしいません。
仮に侵害が事実だとしても、一部の地域でしかW-SCOPEは特許侵害していないことを旭化成も認めていることになります。

仮に侵害が事実と裁判で認定された場合も、一部の地域しか出荷されていない一部の製品でしか特許が侵害されていない可能性が高い、かつをそれは
特許を回避して製造できるとW-SCOPEの主張を私が信じてもいいとと私が考える理由です。

 

■中国の裁判の結果


中国の裁判は、ダブル・スコープの代理店が敗訴する形で判決がでています。
合計人民元100万元(約2000万円)の損害賠償といことで、その金額から、W-SCOPE売り上げ規模から考えると、ごく一部の製品に関する裁判だということがわかります。
こういった裁判の結果から、それほど心配する必要はないと考えています。

旭化成プレスリリース

リチウムイオン二次電池用セパレータ中国特許に関する中華人民共和国北京知識産権法院の特許維持判決について


2021年12月1日 旭化成株式会社

 

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅、以下「当社」)が所有する中国特許(特許第ZL200680046997.8号、以下「本件特許」)に対する無効審判請求事件において、中国人民共和国北京知識産権法院より2021年9月28日に本件特許を維持する判決を下されましたので、お知らせします※1。

当社は、中国深圳市のリチウムイオン二次電池用セパレータの販売会社である深圳市旭冉電子有限公司及び深圳市旭然電子有限公司(以下、「旭冉電子等※2」)を共同被告として、2018年8月に、当社が保有する本件特許に基づき、旭冉電子等が販売する『単層W-scope』電池用セパレータ製品の中国における販売差止と損害賠償(合計人民元100万元)を求め、深圳市中級人民法院に提訴しました。これに対し、本件特許の権利侵害に対する当社主張が全面的に認められ、中華人民共和国最高人民法院にて上記製品の販売差止及び損害賠償金の支払いを命じる終審判決が言い渡されております(2020年12月)。

本審判事件は、深圳市旭冉電子有限公司が当社提訴後に本件特許の無効を求めたものです。中華人民共和国国家知的財産局はこれに対し、本件特許を維持する審決※3を言い渡し、相手方はこれを不服として中華人民共和国北京知識産権法院へ訴訟提起していましたが、今回、上記のように特許を維持する判決が言い渡されました。

当社は今後も知的財産を重視し、必要と判断した場合には具体的な措置を積極的に講じていきます。

※1上記特許権侵害訴訟において審理対象である請求項の全てを維持する判決
※2ダブル・スコープ株式会社(本社:東京都品川区)の中国における販売代理店

 

 

■気になったヤフーファイナンス掲示板の投稿

ダブル・スコープのヤフーファイナンス掲示板の投稿(2021/08/01 21:38)
が有益な情報のように思えるので、記載します。
要約すると、ダブル・スコープが侵害したとされる旭化成の特許は、回避方法がいくらでもある特許で、ダブル・スコープ事業や製品に致命的な影響を与えるものではない。という趣旨のようだと思います。


▼―――
(前略)
1 このセパレータの基本であるオレフィン(ポリチレン、ポリプロピレン)系の微多孔膜は、昔からあるもので、公知効用。 基本特許は存在しない、よってそれを侵害したのしないの争いは存在しない。

2 この微多孔膜をLIBセパレータとして使うためには、およそ下記の性能が鍵

 (1)製造工程(テープを高速でぐるぐる巻く、張力もかかる)で必要な長さ方向の強度 =ひっぱったときにちぎれるまでの強さ

 (2)電池が発熱したときに幅方向が縮むと、端っことめてるところが外れて壊れるので、熱での縮みの少なさ、縮んでも裂けないための幅方向の強度

 (3)リチウムイオンの行き来のしやすさを決める微多孔の度合い、すなわち空隙率 (湿式法でいえば、オレフィンと油分をとことん混ぜて、いわゆる相分離というやつを起こして、油分をあとで抜くと、そこが空隙になります。業界ではみんな知ってること、、、だと思う)

 (4)電池が熱暴走、発熱過多となったときにいち早く、リチウムイオンの行き来をとめるシャットダウン効果(=微多孔がとけてふさがる)を決める膜の融点
  これは、基本オレフィンの性質として決まっているが、分子構造として結晶質、非晶質の割合を変えると多少、融点というか、溶けるまでに被る熱エネルギーの量の多寡を上げたり下げたりできる(結晶は溶けるときに多くの熱エネルギーを要するから)

3 で、セパレータの各社が、競っているものの性質としては、上記の(1)~(4)のバランス、これをたてればあちらが立たずみたいなトレードオフ関係にあるので。 (セパレータへのセラミック塗工の話があるが、今回は、説明の範囲から外します)

4 で、今存在する特許とは、、(1)~(4)の各項目を新たにこんなバランスでできるようにしたよ、基本はトレードオフがあるからex(4)を立てれば、(3)が多少おちるけどね、今までのトレードオフを部分的だけど突破して、こんな性質の特徴あるやつができたよ、てやつです。  その具体的なデータは、従来はこれこれに対して、この発明はこれこれ といういわゆるパラメータ特許(わからんひとはググって)

5 また同時に、今存在する特許とは、セパレータの基本特許ではなく、いわゆる選択発明(基本の性質から、こんな良さをとんがらせて加えた”もの”)となり、セパレータの世界、特徴を全部制覇するものではない部分的なもの。
だって、上の例でいえば、(4)をよくしたんだけど、(3)は落ちてる、それを嫌がるユーザー、それでもいいというユーザーがいるのです。

6 各社は、それぞれに少しでもセパレータの性質での自社の優位性をとろうと、上記の4、5の開発を競う。 で、狙うとこは(1)~(4)のバランスのとり方だからどうしても同じうようなところの開発となる。 

7 よって出来上がったものについてどこかの社が先に特許をとれば、同じ開発をしていて特許を出すのが遅れた会社は先行者の特許を踏むことにはなる。 
「パクリ」とかそういものじゃなくて、開発の土俵がそう広くない選択発明の世界だからそうなる。 よって、この業界では、特許係争はよく起きる。 が、相手の生命線を断つような基本特許ではないので、またやられた会社は、(1)~(4)の別のバランスのとり方の開発品で勝負すれば、踏んだ特許のものの生産を止められても生きていける。

8 この構図は、セパレータ業界だけではなくて、製造業で仕事してる人で、そこそこ経験を積んでいれば常識。 (エレクトロニクスとかめちゃめちゃな相関図になってますよね) 特許は権利だから、きっちり勝負するけど、相手が意図的にパクったなんてケースはほぼない 
(会社は、開発を開始する前に、世界の特許をサーベイして、この開発テーマが、先行特許を踏まないか調べてから開発に入る。 じゃないと、あとで裁判するのもコストと労力かかるし、まけたら少なくともそのテーマ 無駄になるもんね)

(後略)
▲―――

 

 

 

■結 論

最近、日本製鉄が、特許侵害している中国企業の鋼板を購入したトヨタ自動車に損害賠償、製造・販売の差し止めをの裁判を起こしたことがニュースになっています。

特許権は、生産者でなく、その違反した製品を部品、部材とした製品を
販売、利用したものも損害賠償や差し止め、場合によっては刑事罰の対象になりうる強い権利です。
つまり、特許侵害をしているダブルスコープの製品を利用したサムソンSDIなど電池メーカーやその先の自動車会社などまでリスクが及びます。
仮に特許侵害の可能性が濃厚なら、ダブルスコープの製品が売れないと思いますが、旭化成の訴訟の後も、売上は拡大しています。

この事実は、我々素人でなく、サムソンSDIなど電池メーカーやその先の自動車会社など技術開発、資材調達、知的財産、法務の責任者などの玄人、プロがどう考えているかを示唆します。

http://www.thelec.kr/news/articleView.html?idxno=14376

は韓国語のサイトですが、ハラ・ホールディングスはW.C.Pに1,000億ウォンを投資しました。ハラ・ホールディングスの担当者は、「旭化成との特許裁判は問題ない」と判断して投資を実行した旨の記事があります。

少なくとも、私より、90億円近くを投資するハラ(ハンラ)の担当者の方がよく調べていると思いますし、調べる能力も高いと思いますので、
ハラ・ホールディングスの見解も参考になるかと思います。

 

 

■本の紹介

 特許や知的財産について興味を持った方へ、いくつか関連する本を紹介します。

 

ドラマ化もされた池井戸潤氏の小説、

ルーズヴェルト・ゲーム

下町ロケット では、大手企業から理不尽な特許侵害で訴えらえる主人公の会社が逆転勝利するようなストーリがありますが。
旭化成から訴えられたダブル・スコープは、あたかも青島製作所、佃製作所のように、資金繰りに困るような状況から、大逆転して、業績の急回復ができるのか楽しみです。W-SCOPEは、下町ロケットの小説のような特許紛争で取引停止、業績悪化という状況ではないようで、タイトルの(ダブル・スコープは下町セパレータではない)はそんな意味があります。
 

 

 

 

ちなみに、

 池井戸 潤氏の小説『半沢直樹』が有名ですが、以前、私は三菱UFJ銀行に半沢頭取の誕生を示唆していましたが、それが現実になりました。

 

 

知財戦略の中でも、特に重要なのは新規事業の武器となる特許を取得できる発明です。発明は、競争力のある製品・サービスの実用化・事業化とマネタイズを考える上で欠かせません。「先読み」の知財戦略の考え方、事業創出につなげるための企画の考え方を、具体的な企業の事例を挙げて解説している本です。

「控えめに控えめに言って最高すぎです。オモロい!!!オモロすぎる!」といった恋艇的なアマゾンのレビューが多いです。

 

W-SCOPEのような成長株投資に有益な本も紹介します。
WCPの上場でバリュー株と評価されるかもしれませんが、今後も売上が年10%を超えて拡大し、利益率も年々高くなることを考えると私は成長株投資と考えています。

成長株投資の場合、多少割高に思えて、会社の強い成長が続くまで、成長が鈍化するまで、保有するというのが大事だと思います。
何をもって強い成長とするか、何をもって成長の鈍化とするかは解説されている本をアマゾンのリンクでいくつか紹介します。

 

オニールの成長株発掘法 【第4版】

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以上

ダブル・スコープ (6619) 旭化成(3407)

 

 

 

以上

W-SCOPEの2021年決算後の株価(上昇期間、上値目途、買い時や売り時)

■はじめに

2020年2月の業績上方修正や決算発表の後、ダブルスコープ(6619)の株価が、急上昇してます。今後の株価(上昇期間、上値目途、買い時や売り時)を考えたブログ記事です。

 

 

 

 

■以前の予想

2月10日の終値 767円 2月18日の終値 1090円 と約1週間でプラス311円と39.9%上昇しています。

 

W-SCOPEの2021年度通期決算と今後の株価について(速報版) - 令和の未来カエルのブログ

上記のブログ記事で、決算発表後の2月14日に

株価は1000円を超えて急激に上昇することもないような決算(業績予想)でした。
『今期業績も絶好調、来期予想では成長はさらに加速』という決算でなく、急上昇はありませんが、ここ1ヵ月位は820円から900円ぐらいで株価を推移しそうです。

と予想しました。残念ながら、予想は外れました。

 

ただ、決算発表後の2月15日は始値833円(前日終値861円)で下落して始まっています。その後10時ぐらいまでに808円まで下げていましたが、午前中には900円台まで上昇しました。
以前も、決算直後の取引でも始値で前日から下落して始まり、午前中に早い時間は下げるがその後上昇に向かうパターンがあった気がします。
W-SCOPEの場合、決算直後の始値買いは、有効な投資手法かもしれないので、今後、検証してみたいです。

 

■今後の上昇期間は

■パターンA(直近3年のパターン)

直近3年間の月足チャートを見ると、
3カ月間程度上昇して、4カ月程度下落・横ばいを繰り返しています。なお、直近5年間の月足チャートでも同様の傾向でした。
2022年1月から上昇したと考えると、3月も上昇が続き、4月から下落・横ばいとなるいわゆる調整局面になる可能性が高そうです。

▼W-SCOPE直近3年間の月足チャート

f:id:chanmabo:20220220160547p:plain

W-SCOPE直近3年間の月足チャート

■パターンB(2015年5月から2016年5月の大上昇相場に近いパターン)

決算発表前は、5日、200日の移動平均価格を超えない株価で、方向感がわからない印象した。

▼決算発表前の株価    ▼決算発表後       ▼直近の株価

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W-SCOPEの2022年決算前後の株価

▼直近1カ月の日足チャート

f:id:chanmabo:20220220160857p:plain

W-SCOPE 直近1か月の日足チャート

上記の画像も参考になりますが、決算発表後の株価は、

  • 短期(5日・25日)、中期(25日・50日)、長期(100日・200日)の移動平均価格より高い価格、かつ
  • 短期の移動平均線は明確に上向き、中、長期の移動平均線のトレンドがゆるやかに上向きになりつつある。
  • 短期の短期平均価格が、中期、長期の移動平均価格を超える。

という強い上昇相場が予想される移動平均線(価格)となっています。

 

2015年5月から2016年5月まで13カ月も続く強い上昇相場が過去にありました。

この時は、2015年5月1日終値421円から2016年5月終値3285円と

プラス2864円、680%の上昇と株価は6倍以上になりました。

1年間ぐらい強い上昇相場が続く可能性もありそうです。

▼2015年5月から2016年5月まで13カ月も続く強い上昇相場

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2015年5月から2016年5月まで13カ月も続く強い上昇相場

 

 

■高値の目途は

■パターンA(直近3年のパターン)

1100円以上の株価帯は、過去の出来高が少なく、この価格帯での売りは少ないと思われます。いわゆる真空地帯です。

2020年7月1日から8月9日まで終値ベースで、1472円から1070円まで402円下落しています。現在の株価は1090円ですから、この逆のパターンを考えると今後1カ月強の期間で、1500円付近まで株価は上昇する可能性が高いと考えています。

 

▼直近3年の日足チャートと価格帯別出来高

f:id:chanmabo:20220220162134p:plain

直近3年の日足チャートと価格帯別出来高

 

■パターンB(2015年5月から2016年5月の大上昇相場に近いパターン)

2015年5月1日終値421円から2016年5月終値3285円とプラス2864円、680%の上昇と株価は7倍以上になりました。

2021年1月4日の終値790円で、7倍で5530円です。

夢のような株価ですが、まずは前回の上場来高値3675円を目指して上昇する展開になりそうです。

 

 

■買い時・売り時は

2月7日(月)の終値は784円でした。
2月10日(木)の終値は779円で、わずかに下落しています。
私は、下落しているから、決算後は上がるかもと考えていました。

 

パターンBの場合は特に売り時でありません。
1年以上続く上昇相場のパターンBのケースなら、2015年8月ぐらいで株価が900円付近と、今の2022年2月下旬で株価が1100円付近は近い位置だと思います。

株価が5日移動平均付近まで下がったら買い、5日、25日の移動平均価格が、中期の50日の移動平均価格を下に越えて、下落トレンドが明確になれば、売りを私は考えています。

あくまで移動平均線(価格)を意識した買い時、売り時ですが、参考になれば嬉しいです。

 

 

■成長株投資の本の紹介

W-SCOPEのような成長株投資は、アノマリーやチャートなどあまり関係ないかもしれません。
WCPの上場でバリュー株と評価されるかもしれませんが、今後も売上が年10%を超えて拡大し、利益率も年々高くなることを考えると私は成長株投資と考えています。

成長株投資の場合、多少割高に思えて、会社の強い成長が続くまで、成長が鈍化するまで、保有するというのが大事だと思います。
何をもって強い成長とするか、何をもって成長の鈍化とするかは解説されている本をアマゾンのリンクでいくつか紹介します。

 

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以上

 

 

 

以上

旭化成の歴史・セパレーターの事業(売上・シェア)

■はじめに

旭化成の歴史・セパレーターの事業(売上・シェア)について調べたブログ記事です。

SKEITの売上、シェアから、W-SCOPEのシェアも試算しています。

 

 

■関連記事

旭化成とダブルスコープの特許紛争について考察したブログ記事です。

旭化成の歴史

旭化成は、1922年に設立された旭絹織株式会社(ビスコース・レーヨン糸を製造販売)、その後、数回の社名変更、合併を経て、1943年に日窒化学工業に社名を変更しています。戦後、1946年に旭化成と現在の社名に変更しています。
日窒化学工業という社名の通り、戦前は日窒コンチェルンの一社でした。
日窒コンツェルン(にっちつコンツェルン)は、野口遵によって設立された日本窒素肥料(日窒・現在のチッソ:事業会社としてはJNC)を中心とする財閥で。15大財閥の1つでした。

 

日窒コンツェルン(にっちつコンツェルン)は、野口遵によって設立された日本窒素肥料(日窒・現在のチッソ:事業会社としてはJNC)を中心とする財閥で、戦前の15大財閥の1つでした。
財閥のオーナーでもあり創業者の野口 遵(のぐち したがう、通称:じゅん、1873年7月26日 - 1944年1月15日)は、日本窒素肥料(現・チッソ)を中核とする日窒コンツェルンを一代で築き、「電気化学工業の父」や「朝鮮半島の事業王」などと称さていました。
チッソ水俣病の加害企業となったせいか、メディアで取り上げられることが少なく、一般的な知名度が少ないが、チッソの他にも、旭化成積水化学工業信越化学工業(日窒コンチェルンのグループ企業)の実質的な創業者といわれます。戦前の代表的な名経営者、名起業家として、野口 遵についてはもっと多くの人が知ってもらいたいと私は思っています。

 

旭化成の100周年記念事業のサイト(↓)で、野口 遵の経歴、業績が詳しく紹介されていますので、ぜひ、ご覧ください。

開拓者たち|旭化成100周年サイト|旭化成株式会社

https://www.asahi-kasei.com/jp/100th/pathfinder/

 

旭化成は、戦前の大財閥 日窒コンチェルンの有力企業で、2022年で創業100年の長い歴史を持つ名門企業だということです。

住宅やサランラップなど消費者向の製品もありテレビCMなどの広告や実業団スポーツの活躍などもあり、石油化学業界では、日本で最も知名度が高い企業かもしれません。

 

1970年代までは石油化学製品のマテリアルセグメントがほぼ100%でしたが、住宅事業に進出し、1990年代には、住宅事業が売上の20%(現在は30%程度)を占める程度の比率し、医薬品などのメディカル事業に進出し、現在、メディカル事業は売上の20%程度の比率まで成長してえます。↓の画像(旭化成レポート:統合報告書から抜粋)で各事業の売上がグラフ化されています。「3領域に至る道のり」というタイトルの通り、マテリアル、住宅、ヘルスケアの3本柱の会社であることがわかります。

 

旭化成レポートより抜粋

3領域に至る道のり-旭化成レポートより抜粋

「吾々工業家は飽くまでも大衆文化の向上を念として、最善の生活資料を最低廉価に然も豊富に給することを以て究局の目的としなければならぬ」

(1933年、創業者 野口 遵)

といった記載もあり、旭化成は、野口 遵を創業者として相当レスペクトしているようです。

 

なお、積水化学信越化学のサイトや統合報告書(アニュアルレポート)には、野口 遵氏の名前は一切ありませんでしたので、旭化成は、日窒コンチェルンの後継企業としての誇りを感じました。


旭化成のセパレーター事業

旭化成の2021年3月期連結売上は、2兆1060億円で、セグメントの売上・比率は、マテリアル(石油化学製品など)9921億円47%、住宅6926億円 33%、ヘルスケア(医薬品など)4079億円 19% その他 1533円 1%です。

 

セパレーター事業が属するマテリアルセグメントの売上、営業利益、営業利益率は、9912億円、665億円、7%です。

マテリアルセグメントは、基盤マテリアル、パフォーマンプロダクト、スペシャルティ ソリューション、マテリアル共通とさらに細かいセグメントで売上、営業利益が開示されています。

 

2021年3月期決算説明資料によると、セパレーターが属するスペシャリティソリューションは、売上高3072億円、営業利益348億円、11.3%の営業利益率です。

2022年3月期3Q決算説明資料によると、セパレーターが属するスペシャリティソリューションの通期予想は、売上高3350億円、営業利益397億円、11.8%の営業利益率です。セパレーターが属するスペシャリティソリューションの営業利益率が11%台で、マテリアルセグメント7%と比べて、特に高い高収益事業だということがわかります。

 

▼事業別売上高予想-旭化成2021年3Q業績予想

f:id:chanmabo:20220219210029p:plain

事業別売上高予想-旭化成2021年3Q決算説明資料より

▼事業別営業利益予想-旭化成2021年3Q決算説明資料より

f:id:chanmabo:20220219210123p:plain

事業営業利益-旭化成2021年3Q決算説明資料より

スペシャリティソリューションの中には、
• イオン交換膜• 感光性ドライフィルム「サンフォート™」
• 電池用セパレータ(リチウムイオン電池鉛蓄電池)• ミクスドシグナルLSI
• 磁気センサー
といった製品の事業があります。
つまり、公開されている業績の数字は、セパレーター事業の売上高すらわかりません。

 


旭化成のセパレーターのシェアや売上

電池部材「中国がシェア席巻」でも日本が動じぬ訳 | 電動化 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)

https://toyokeizai.net/articles/-/467907

といった記事によるとテクノ・システム・リサーチの調査によると、2020年のセパレーターのメーカー別シェア(出荷量ベース)は
1位 上海エナジー 22%
2位 旭化成の11%
3位 星源材質 10%
4位 SKEIT 10%
5位 東レ 8% となっています。

SKEIT(SKアイイーテクノロジー:SK ie technology)の2021年12月期売上は、5999億ウォンで、約569億円(1円0.095ウオン換算)です。

 

https://www.etnews.com/20220214000182

↑は韓国語のサイトで、旭化成が韓国でセパレーター価格を20%値下げして、価格攻勢をかけるといった趣旨の記事です。

https://n.news.naver.com/article/029/0002721006

↑も韓国語のサイトで、旭化成が韓国でセパレーター価格をの20%値下げしても、40%程度安いSKEITのセパレーターの売上の影響はない。といった趣旨の記事です。

 

こういった記事から、仮に、旭化成の製品価格は、SEIETより1.4倍高いと考えて売上を計算すると、
約569億円 × 1.1(シェア比から) × 1.4 = 約876億円
となります。
2020年のシェアと2021年のシェアは変動がないと仮定しています。

 

残念ながら、上記の記事にW-SCOPEのシェアはわかりませんが、SKEITの売上約569億円で、ダブルスコープの売上300億円で、SKEITの約53%程度ですから、5%から6%程度のシェアを確保しているもようです。

ダブル・スコープも、SKEITや旭化成の背中が見えてきたという感じでしょうか。

 

売上が約876億円、大きく見積もっても1000億円程度で、約3000億円のスペシャリティソリューション事業の中核事業といえますが、2兆円近い会社全体の売上で、マテリアルセグメントだけで1兆円近い売上がある旭化成からみると、業績のインパクトはそれほど大きくないようです。

 

もうすこし詳しく、旭化成のセパレーター事業については調べたいと思いました。

その内容は改めて別のブログで紹介したいと思います。

ただ、旭化成のセパレーターがどれだけ有望だとしても、セパレーター事業の売上や利益がわからなければ、積極的に投資したいと私は思いません。同じように思う投資家も多いでしょう。

コングロマリット・ディスカウントといった事象が起こる理由がよくわかる気がしました。

 

旭化成に関する書籍

旭化成や野口 遵氏、日窒コンチェルンに関する書籍や旭化成出身の武田邦彦氏(中部大学教授)、吉野彰(リチウムイオン二次電池発明。2019年ノーベル化学賞受賞)の著書を紹介します。

旭化成、野口 遵氏に関する書籍は、いずれも古本(結構な値段がします)ですが、↓のブログの通り、私は古本は投資対象として価値があると考えています。

 

旭化成、野口 遵氏に関する書籍もこれから値上がりするかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上

W-SCOPEの2021年度通期決算と今後の株価について(速報版)

■はじめに

ダブルスコープ(6619 )の 2021年12月期通期決算と今後の株価について、考えたこと、気になった点を簡単にまとめてみました(速報版)。
結論から言うと『今期4Qは好調だが、来期はやや失速』と思わせるような物足りなさを感じる業績予想のように思えました。

 (決算補足説明資料及び決算説明会内容の入手方法)
当社は、2022年2月16日(水)に機関投資家・アナリスト向けの説明会を開催する予定です。この説明会の動画
及び当日使用する決算説明資料は、開催後速やかに当社ウェブサイトに掲載する予定です

と記載があるので、決算補足説明資料を読んで、また、解説、考察するブログを投稿しようと思います。そういう意味で速報版と考えてください。

 

■関連ブログ

決算前の業績予想の修正について解説しているブログです。

参考になれば幸いです。

 

W-SCOPE 決算前の株価傾向 - 令和の未来カエルのブログ

W-SCOPEの2021年12月期業績予想の修正(2022/2/10付) - 令和の未来カエルのブログ

 

 

 

 ▼目次

 

 

■コンセンサスは超えない来期予想

株式投資での「コンセンサス」は、株式市場全体の期待値です。
カバレッジする証券アナリストの業績予想の平均値を使うことが一般的です。
カバレッジ(投資検討の対象として分析)している証券アナリストがの人数が多いほど、コンセンサスの確からしさは高まります。
その平均が一般的にコンセンサスと言われます。
多くの会社の予測は、実態よりも慎重な計画を公表します
それに対して証券アナリストは、様々なデータや過去の会社の予測の傾向から数字を分析し、予想するので、証券アナリストの数字の方が的確な予想になります。

いい決算とはは、今期業績、来期予想ともに、「コンセンサス」を超えることが大事です。

コンセンサスとしては、SBI証券のアナリスト予想を紹介します。
なお、SBI証券以外は、アナリスト予想はないので、SBI証券のアナリスト予想 イコール マーケットの期待値(コンセンサス)と考えて支障はないと思います。

 

▼2022年12月期-----------------
業績予想  SBI証券  会社
売上高   390億円    380億円
営業利益   80億円    50億円
経常利益   70億円    40億円 
当期純利益  62億円    14億円
1株利益   113.8円     25.7円
配当    2.5円 ⇒    0円

--SBI証券は2021年12月時点の予想------

 

SBI証券当期純利益は、非支配株主に帰属する当期純利益が考慮されてない、つまり、WCPが100%子会社のままの前提です。
そのため、前提が大きく異なることから当期利益の違いは重要でないでしょう。
また、配当はSBI証券の予想でも微々たる金額で、配当期待で購入しいいる投資家もほとんどいないでしょう無視して問題ないでしょう。

今回は売上高・営業利益・経常利益この3つの数字が問題といえそうです。
経常利益は営業利益とそれほど変わらず、連動しているので、
売上高、営業利益が低すぎることが問題だと思います。

決算短信より来期予想

決算短信より来期予想

■業績予想などの将来予想情報に関する説明(2021年12月期決算短信

まず、
業績予想などの将来予想情報に関する説明(2021年12月期決算短信
を転記します。

2021年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)  2022年2月14日開示
(4)連結業績予想などの将来予想情報に関する説明
当社グループの主力事業であるリチウムイオン二次電池向けセパレータ事業においては、引き続きEV市場の中長期的な拡大が見込まれ、民生用途でも特にアプリケーションが広がるパワー系電池需要も増える中で、顧客各社の設備投資も急速に進んでおり需要の伸びは顕著な状況が続きます。このような環境の中で当社グループでも、2021年のWCPにおける設備増設により生産能力を引き上げるとともに、WSKにおいても生産品目の最適化の取り組みを進め生産数量は増加しております。これらの状況から、2022年には販売数量を昨年比約20%伸ばし売上高は38,000百万円となる見通しです。

費用面では、これまで2020年後半から継続した運賃の高騰が営業利益の圧迫要素にはなりますが、本年下期には改善されることを見込み、下期の営業利益率は15%迄回復する見通しであり、通期の営業利益を5,000百万円と計画しております。

また、営業外において、2019/2020年に発行したWCPの転換社債に係わる会計処理の中で、これまでの決算ではWCPの企業価値の上昇等に伴いオプション負債の評価損の計上が続きましたが、2022年1月17日にて、すべての転換社債の株式への転換が完了したことから、今後当該要因による評価性損失の計上はほぼ想定されない状況となりました。

更に2021年会計期間中に銀行への借入返済を進めた事及びWCPの発行した転換社債の株式への転換が転換社債総発行額の80%以上完了したことから、2021年末のグループ全体での借入が大きく減少し20,412百万円(前年同期は46,791百万円)となり、2021年の支払利息は1,472百万円でしたが今年は約800百万円となり約600百万円減少する計画となっております。一方でWCP転換社債の株式への転換が進んだことにより前期末の当社の持分比率が49.69%となりました。

これらにより経常利益は7,400百万円改善し4,000百万円(前期は経常損失3,411百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,400百万円改善し1,400百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失2,943百万円)となる見通しです。

なお、今後のリスクとして、新型コロナウイルス感染症が再拡大した場合、当社顧客及びエンドユーザーの生産活動にどのような影響を与えるかは不透明な状況であることから、今後も顧客及びエンドユーザーの動向の確認を続ける必要があります。

 

 

■売上高が低すぎ

今期の売上は約300億円(299.6億円)で、対前年比で26.8%増と十分な成長率のように思えますが、2021年4Qの売上は96億円です。
この4Q売上に4倍した数字が384億円ですから、直近4Qと同程度の売上が1年間維持されるという予想です。

リチウムイオン電池のセパレータの市場が毎年20%から30%程度は拡大するのですから、現状のシェアを維持していれば達成できる数字で、少し低すぎる目標に思えました。


ダブルスコープの開示資料
2021 年10 月14 日付「設備投資決定及び欧州法人設立に関するお知らせ」によると
2025 年には、連結売上高で年間約7 億USD を想定しています。
1USD 115円で換算すると805億円です

今期の売上は約300億円です。2022年から2025年の4年間で、
805億円の売上を達成するには、年平均で28%成長する必要があります。

計画を開始する初年度 2022年度で売上成長率26.8%という数字は物足りなさを感じます。、
2025 年には、連結売上高で年間約7 億USDという想定から考えて、控えめな保守的な数字だと思われます。

 

■営業利益も低すぎ

約19億円から163.4%増の50億円という数字ですが、これも低すぎるように思えます。
2021年4Qの約15億円(14.7億円) に4倍した数字が60億円です。

決算短信の中で、

費用面では、これまで2020年後半から継続した運賃の高騰が営業利益の圧迫要素にはなりますが、本年下期には改善されることを見込み、下期の営業利益率は15%迄回復する見通しであり、通期の営業利益を5,000百万円と計画しております。

と説明しています。
運賃の高騰が圧迫要因になっている2021年4Qでも、営業利益率は15%を達成しており、量産化が本格化して、様々な工程が習熟して効率化、設備、材料を効率的、効果的な利用方法が確立されていくことを考えると、2021年4Q同程度の営業利益率は引きすぎると思えます。

SBI証券の予想では、営業利益率20.5%という数字であり、私も20%程度の営業利益率の十分可能と考えています。

なお、営業利益率が20%であれば、保守的と思われる会社予想の売上予想でも76億円です。会社予想営業利益50億の52%増の数字です。
営業利益が76億円であれば、経常利益が営業外の費用が会社の見積もり通り10億円として、経常利益は66億円です。会社予想の90%増の数字です。

■株価の行方

WCPの上場による企業価値の顕在化、2022年1Qの決算による会社予想を上回る業績の確認、継続疑義注記の解消といったことがおこるまで、日本に限らず、米国など世界的に株式市場が軟調なこともあり、株価は1000円を超えて急激に上昇することもないような決算(業績予想)でした。

株価がもともとWCPの時価総額企業価値)を考えると割安な状態ですので、決算予想が物足りない内容でも、大きく下落することもなさそうです。

 

『今期業績も絶好調、来期予想では成長はさらに加速』という決算でなく、急上昇はありませんが、ここ1ヵ月位は820円から900円ぐらいで株価を推移しそうです。

2022年2月14日株価でいうと25日移動平均価格 865円 50日移動平均価格823円です。この25日移動平均線、50日移動平均線ぐらいがサポートラインとなり、徐々に上値が上げていくような展開を予想しています。

 

▼2022年2月14日の株価と移動平均価格

2022年2月14日の株価と移動平均価格

 

 

 

■このブログの記事に興味を持った方へ

ダブル・スコープに興味を持った方が興味がありそうな本や株式投資で自分の投資成績を上げたい人のための本をいくつか紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

日本の億万投資家名鑑 日経ホームマガジン

日本の億万投資家名鑑 日経ホームマガジン

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日本人は投資を知らなさすぎる。投資と投機は違う。投資は危険なものではないし、いかがわしいものでもない。資本主義の健全な形態である。投資が盛んになり、優良企業にお金が集まるようになれば、日本の景気もよくなるはずだ。
農林中金バリューインベストメンツで抜群の実績を上げるCIOが、本来の投資のあり方とその哲学、長期投資のコツ、優良企業の見極め方などを、歴史的な背景や実例を交えながらわかりやすく解説する。

 

機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法

機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法

  • 作者:泉田 良輔
  • ダイヤモンド社
  •  世界の一流は将来に投資をしない過去を知ることが相場を制する条件!

    プロの銘柄選択ノウハウを簡略化「スクリーニング」5つのポイント
    「バリュエーション」5つのステップで10倍株が一番確実に手に入れる!

    伝説のファンドマネージャーの手法が初心者でも使える今が儲けのチャンス!

    世界で実績を残してきた投資家は、将来の動向よりも、企業の実績を重視している。

    機関投資家が行う一見難しそうな投資アプローチを個人で簡単にできるノウハウに落とし込んだのが本書。機関投資家の投資判断がわかるとともに、10倍株銘柄の選別法、売り時・買い時の見極め方も5つのポイントでわかる画期的な1冊。

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読んで頂き、ありがとうございました。

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銘柄メモ ダブル・スコープ6619 

 

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以 上です。